ちょっとお借りします
江戸小話です。金持ちの旦那が、井戸屋に井戸を掘らせていました。ところが、掘っても掘っても中々水が出てきません。旦那はあきらめず、金をはずんでどんどん掘らせていました。ある日のことです。井戸の中の井戸掘りが、びっくりするほど大きな声で、「大変だ!。早く引き上げてくれーい!。」と井戸の底からさけびました。「何だ!。何だと!。引き上げてくれだとぉー?。」「おい、ひょっとしたら、金でも掘り当てたのかもしれないぞ!。」「きっとそうにちがいない。」仲間の井戸堀り達が、胸をわくわくさせながら、大急ぎで綱を引き上げました。中から出てきた井戸堀りは、ホッとした顔で「旦那様。ちょっと便所をお借りします。」 おしまい
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